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お着物の柄とその格と言われ

老舗呉服店の黒留袖

お着物の柄とその云われ

― 正倉院文様にみる、日本の美意識の源流 ―

**正倉院文様(しょうそういんもんよう)**とは、
奈良時代、シルクロードを経て日本にもたらされた多彩な意匠が、
日本の宮廷文化と融合することで生まれた装飾文様の総称です。

当店「染と呉服はっとり」のお膝元である奈良、
正倉院(東大寺)に収められた宝物の中には、
現在のお着物の柄としても親しまれている文様が数多く見られます。

「はっとり好み」のお柄も正倉院からインスピレーションを得たものが実に多いのです。

毎年開催される正倉院展には、
京都の友禅職人や帯匠たちが足を運び、
古代の文様から着想を得て新たな作品を生み出しているとも言われています。

美しい文様は、古の昔から人の心を捉えて離さなかった。
それは今も変わりません。

「はっと息をのむほどに」

美しく綺麗な柄は惹きつけられる魅力が宿っているのです。


正倉院文様が伝える意味

正倉院に残る染織品や工芸品には、
植物・動物・幾何学・天象など、
国際色豊かな美意識を反映した文様が豊富に見られます。

これらは単なる装飾ではなく、
繁栄・長寿・守護・吉兆といった願いを託した象徴でした。


文様は、宮廷や寺院の格式を高める役割も担っていたのです。


華文・宝相華文

宝相華(ほうそうげ)に代表される華文は、
実在しない理想の花を図案化した文様です。

華やかさは繁栄を、清らかさは浄化を象徴し、
重なり合う花弁や連なる唐草は、
絶え間ない発展と調和を暗示します。

「はっとり好み」の神髄が宿っているようです。


花喰い鳥

冠を戴いた尾の長い鳥が、
花や松の小枝、あるいは綬(じゅ)と呼ばれる組紐をくわえた文様。

鳥は吉兆と自由を、花は豊穣と美を表し、
合わせて調和と繁栄、夫婦和合や幸福の象徴として愛されてきました。

色留袖や訪問着にも用いられる、
格調高い吉祥文様です。

現在、染と呉服はっとりの正面に飾られているのが訪問着「花喰い鳥」です。


唐草文様・葡萄唐草

唐草文様は、古代中国から伝わった植物文様で、
伸びゆく蔓は生命力を、実は豊穣を象徴します。

葡萄唐草は、
西方ペルシャに由来し、中国を経て日本へ伝わった文様。
多くの実をつける葡萄は、子孫繁栄の象徴とされてきました。


双鳥唐花文・獅子文

二羽の水鳥が向かい合い、花枝をくわえる双鳥唐花文。
袋帯や着物の柄として、格式ある場に用いられます。

獅子文は、動物の王である獅子と、
花の王・牡丹を組み合わせた「獅子牡丹」が有名で、
吉祥文様の代表格です。


有職文様と宮廷文化

立涌、亀甲、七宝などの有職文様は、
平安時代の宮廷文化に由来します。

七宝は円満を、
立涌は運気上昇を意味し、
花菱や花菱亀甲は、上品で格調高い装いに欠かせません。


瑞鳥と吉祥の世界

向い鶴、雲鶴、松喰鶴。
鶴は長寿と高潔の象徴であり、
黒留袖や袋帯にも多く描かれます。

向い蝶は幸福を、
八つ藤の丸や鳥襷は、
平安貴族の装束に用いられた格調高い文様です。


吉祥文様という祈り

松竹梅、鳳凰、鶴亀、橘、御所車、貝桶、熨斗、四君子、宝尽くし、南天──
これらはすべて、
人生の節目を寿ぎ、未来を願うための文様です。

着物の柄は、
着る人の願い、季節への敬意、
そして人生を祝う心を映すもの。

奈良時代の正倉院、
平安の王朝文化、
江戸の町人文化へと受け継がれながら、
その精神は今も着物の中に息づいています。

意味を知って選ぶことで、
着物は、より深く、より豊かなものになります。

お祝いの席には吉祥文様を、茶会には風雅な自然の柄をと、場面に応じて柄を選ぶことも、

着物を着る楽しみのひとつです 

着物の柄は、着る人の願いや季節への敬意、人生の節目を祝う気持ちなど、

さまざまな想いを表現する手段として発展してきました。

はるか奈良時代の正倉院の宝物からの柄、

平安時代の貴族文化から生まれた柄、

江戸時代の町人文化の中で育まれた柄まで、

時代ごとに流行や好みは変化しましたが、自然への畏敬の念や縁起を担ぐ心は変わることなく、

現代の着物にも受け継がれています。


そんな知識を少し持つだけでお着物を選ぶ幅がぐっと広まります。

そしてお着物を大切にする気持ちが自然に育まれると思っています。

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着物は素敵だけれど、どうしたらいいの?管理の仕方は?
何から始めればいいのか、さぁ困った。
皆さんお着物を日常にお召しになられないのでこんな疑問は当たり前のことです。
どうぞご相談下さいませ。一緒に考えさせていただきます。
呉服専門店は、そんな皆様の道先案内人となって差し上げます。

奈良県の北西部近鉄線学園前駅徒歩2分。
閑静な高級住宅街で有名な学園北のお屋敷街の中に
ひっそりとたたずむ知る人ぞ知る隠れ家呉服店です。

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