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呉服屋が見てきた着物の本当の価値|長く受け継がれる着物の理由とは

白地に色とりどりの扇面と菊・梅・牡丹が舞う振袖の柄アップ

「着物には本当に価値があるのでしょうか?」

最近、お客様からよく聞かれる言葉です。

昔は当たり前のように家にあった着物も、生活の変化とともに着る機会が減り、

「もう必要ないのでは」と考える方も増えてきました。

しかし、呉服屋として長年多くの着物を見てきた立場から申し上げると、

着物の価値は単純に値段だけで決まるものではありません。

むしろ、時間が経つほどに意味が深くなる衣服は、世界中を見てもそう多くはないのです。

着物は「工芸品」に近い衣服

洋服は多くの場合、工場で大量生産されます。

しかし着物は違います。

一枚の着物が出来上がるまでには、多くの職人の仕事が積み重なっています。

まず糸を作る職人。
その糸を織る職人。
布を染める職人。
模様を描く職人。
そして最後に仕立てる和裁士。

こうして何人もの職人の手を通って、ようやく一枚の着物になります。

染めの工程ひとつとっても、下絵を描き、糊を置き、色を差し、蒸し、

水で洗い流すという工程が何度も繰り返されます。

つまり着物は、単なる衣服というよりも、

日本の伝統工芸の集合体とも言える存在なのです。

時間が価値を育てる衣服

もう一つ、着物には他の衣服にはない特徴があります。

それは「時間が経っても着られる」という点です。

洋服は流行が変わると着なくなることが多く、

数年で手放すことも珍しくありません。

しかし着物は違います。

良い着物は、何十年経っても美しさを失いません。

実際にお店には

祖母の訪問着
母の色留袖
昔の振袖

などを持って相談に来られる方が多くいらっしゃいます。

そして多くの場合、仕立て直しや寸法直しをすることで、再び着ることが出来ます。

親から子へ。
子から孫へ。

着物は、世代を越えて受け継ぐことが出来る衣服なのです。

思い出を包み込む衣服

呉服屋をしていると、着物にまつわるさまざまな思い出に出会います。

娘の成人式に着た振袖。
結婚式で着た黒留袖。
七五三で着た訪問着。

その着物には、家族の記憶が重なっています。

あるお客様は、母の着物を整理していたときに、昔の訪問着を見つけました。

「これは母が若い頃に着ていた着物なんです」

そう言って、その着物を大切そうに持ってこられました。

少し寸法を直し、汚れを整えると、また着られる状態になりました。

そしてその方は、その着物を自分の子どもの入学式でお召しになりました。

一枚の着物が、二つの世代の思い出をつないだ瞬間でした。

着物の価値は「値段」だけではない

もちろん、着物の中には高価なものもあります。

手織りの織物。
高度な染めの技術。
希少な素材。

こうした要素が重なると、着物の価格は高くなります。

しかし、呉服屋として感じる本当の価値は、少し違うところにあります。

それは

「長く使えること」
「受け継げること」
「思い出を残せること」

この三つです。

一度しか着ない衣服ではなく、人生の節目に何度も登場する衣服。

それが着物です。

奈良の家に残る着物

奈良という土地では、古くから着物を大切にする文化が残っています。

奈良は、千年以上の歴史を持つ町です。

たとえば
東大寺

春日大社
などの歴史ある寺社が今も人々の生活の中にあります。

七五三、成人式、結婚式。

人生の節目を大切にする奈良の文化の中で、着物は今も特別な存在です。

そのため奈良の家には、昔の着物が残っていることも少なくありません。

もしご自宅に古い着物があるなら、すぐに処分する前に一度見直してみてください。

仕立て直すことで着られるもの。
帯に仕立て替えられるもの。
次の世代に受け継げるもの。

意外な価値が残っていることも多いのです。

呉服屋として思うこと

長く呉服屋を続けていると、着物をめぐるさまざまな人生の場面に出会います。

成人式。
卒業式。
結婚式。
そして家族の節目。

そのたびに着物が登場します。

そして何十年後かに、その着物が再び姿を現します。

「この着物、まだ着られますか?」

そう言って持ってこられる着物を見るたびに、着物の本当の価値を感じます。

着物は、ただの衣服ではありません。

時間を重ねながら、人の人生に寄り添う衣服なのです。

奈良の家に残る着物にも、きっとそんな物語があるはずです。

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