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日本のタンスに眠る着物を救えるのか|奈良の呉服屋が思うこと

黒留袖茶や辻に雲間 祖父作 |染と呉服はっとり

日本には、今どれほどの着物が残っているのでしょうか。

長く呉服屋をしていると、あることに気づきます。

それは「新しい着物を作る相談」よりも、

タンスの中の着物の相談が圧倒的に多いということです。

祖母の着物
母の振袖
昔仕立てた訪問着
使われなくなった帯

こうした着物が、日本中の家のタンスの中に眠っています。

そして、その多くがこう言われます。

「これはもう着られませんよね?」

「捨てた方がいいのでしょうか?」

しかし実際に拝見すると、そうではないことも多いのです。


日本のタンスの中には、膨大な着物が残っている

戦後から昭和の時代にかけて、日本では多くの着物が作られました。

婚礼の着物
振袖
訪問着
黒留袖

人生の節目ごとに、家族のために誂えられてきました。

そのため今、日本のタンスの中には膨大な数の着物が残っています。

しかし、時代の変化とともに、着物を着る機会は減りました。

すると何が起こるか。

着物は残っているのに、

着る人がいない。

これが、今の日本の現実です。


しかし着物は、本来「直して着る衣服」

洋服はサイズが合わなくなれば処分されることも多いものです。

何度もこのブログ内で触れていますが、

着物は違います。

・寸法を直す
・仕立て替える
・帯に作り替える

こうしたことができる衣服です。

実際に、祖母の着物を孫が着ることも珍しくありません。

仕立て直しをすれば、再び美しく着られる着物も多いのです。

それでも多くの方が

「古い着物だから無理でしょう」

と諦めてしまいます。

ここに、大きな問題があります。


日本の着物文化は、まだ終わっていない

呉服屋として長く仕事をしていると、着物文化が本当に終わってしまったとは思えません。

なぜなら、人生の節目には今でも着物が登場するからです。

成人式。
七五三。
結婚式。
入学式や卒業式。

そうした場面では、着物を選ばれる方が今も多くいらっしゃいます。

そして何より、昔の着物を持って相談に来られる方が後を絶ちません。

「母の着物を着たい」
「祖母の振袖を直したい」

そう言って持ってこられる着物を見るたびに思います。

着物文化は消えたのではなく、

眠っているだけなのではないかと。


日本のタンスの着物を救えるのか

もし日本中のタンスの着物が、もう一度着られるとしたら。

それは、着物文化にとって大きな意味を持つはずです。

新品の着物だけではなく、

すでに存在している着物を生かすこと。

それは、これからの着物文化にとって重要な考え方かもしれません。

祖母の着物を娘が着る。
母の訪問着を入学式で着る。
昔の帯を仕立て直して使う。

そうして着物がもう一度人の人生の中に戻ってくる。

そんな未来があれば、日本の着物文化はまだ続いていくのではないでしょうか。


奈良の呉服屋として思うこと

奈良は、日本でも特に古い文化が残る土地です。

たとえば
東大寺
春日大社

のように、千年以上の歴史を持つ寺社が今も大切に守られています。

着物もまた、日本の文化の一つです。

そしてその文化は、特別な場所だけにあるのではなく、

日本の家のタンスの中に残っています。

もし、その着物がもう一度着られるなら。

それは単なる衣服の再利用ではなく、

家族の歴史や文化を受け継ぐことにもつながるはずです。

呉服屋として多くの着物を見てきましたが、

タンスの中の着物には、まだたくさんの可能性が残っていると感じています。

日本のタンスの中の着物が、もう一度光を浴びる日が来ることを願っています。

最後に申しておきます。

再生できるのは、「ほんもの」であることが条件です。

下記の記事を参考になさって下さいませ。

【手描友禅染匠】吉田隆男
奈良の老舗呉服店が受け継ぐ|黄綬褒章受章 染匠 吉田隆男の教えとその着物観
着物と共に生きてきた人生ー今年八十八歳になる二人の男から学んだ事

着物は素敵だけれど、どうしたらいいの?管理の仕方は?
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どうぞご相談下さいませ。一緒に考えさせていただきます。
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