三代続くお客様の振袖の物語 ― 破れてしまった振袖が再び晴れの日へ

振袖のお困り事
先日、三代にわたって当店をご利用くださっているお客様から、お振袖のご相談がありました。
成人式と卒業式の大切な日にお召しになった振袖。
ところが歩いているときにご友人が草履で袖の内側を踏んでしまい、
脇の部分が破れてしまったとのことでした。
幸い転倒はせずにお怪我もなくそれは良かったのですが、
振袖の生地が少し裂けてしまい、お嬢様はとても驚き、
心配のあまり涙を流されたそうです。
晴れの日の着物ですから、なおさら胸が痛みます。
振袖の補修
しかし着物は、きちんと手を尽くせばよみがえることがあります。
今回は職人による**かけつぎ(繕い)**と補修処理を行い、破れた部分を丁寧に直しました。
時間をかけて仕上がった振袖は、ほとんど分からないほどきれいな状態に戻りました。
汚れた部分は、シミ取りで対処出来ました。
お嬢様も仕上がりをご覧になり、先日の涙がうそのように満面の笑み。
「すごく綺麗に直ってる! これなら安心して着られます」と大変喜んでくださいました。
次はご友人の結婚式で、この振袖をお召しになるそうです。
成人式や卒業式という大切な節目を過ごした振袖が、また新しい思い出を作る。
着物とは、こうして人生の時間を重ねていくものなのだと改めて感じました。
三代にわたりお付き合いいただいているお客様の着物に関われることは、
呉服店として本当にありがたいことです。
奈良で着物のご相談やお手入れ、修繕などがございましたら、
どうぞお気軽にご相談ください。
着物の大切な思い出を、これからも次の世代へつないでいけるようお手伝いさせていただきます。
少し専門的な話を一つ。
「かけつぎ」という技術は、布の糸を一本ずつ再構成する非常に高度な補修です。
西洋では“インビジブルリペア(見えない修復)”とも呼ばれる技法に近い。
着物文化が長く続いてきた理由の一つは、こうした直して使う技術体系が発達しているからです。
この記事を読んでおられる皆様、どうぞ着物文化の優れた点を再確認してみて下さいませ。
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