十三参りの後、着物はどう残すか|老舗の呉服店がしてきた事

— 「その一枚」を、人生の味方にする —
十三参りを終えた後、
多くの方がこう思われます。
「この着物、もう着る機会はないのでしょうか?」
結論から申しますと、早計です。
子どもの着物は、
「行事が終わったら役目を終えるもの」ではありません。
その後の人生に合わせて、形を変えながら寄り添うものです。
成長に合わせて、仕立てを変える事が出来ます
十三参りで着用した四つ身や振袖は、
寸法を見直し、仕立て替えることで、
・中学生以降の式典
・ご親戚の結婚式
・お正月や改まった席への参加
・将来の卒業式や謝恩会
へと、きちんと対応できます。
当店のお得意様の中には、卒業式で袴と合わせてご着用になられた方もいらっしゃいます。
特に良い生地・良い染めの着物ほど、
年齢を重ねたときに「品」として効いてきます。
これは量販品では決して得られない価値です。
大人の着物へと「育てる」
十三参りの着物は、
将来、小紋・付け下げ・訪問着として
大人の装いに昇華させることも可能です。
柄を活かすか、
柄を控えめにするか、
八掛や帯合わせで雰囲気を変えるか。
ここは、
呉服店の仕事の真価が問われるところです。
着物は「買って終わり」ではなく、
**「育てて完成する衣服」**なのです。
次の世代へ残す、という選択
十三参りの着物は、
将来、ご自身のお子様へ、
あるいは姪御さん・お孫さんへと
世代を超えて受け継ぐこともできます。
その際に大切なのは、
・仕立て直しができる状態で保管すること
・定期的なお手入れ
・寸法や来歴をきちんと把握しておくこと
です。
これは「思い出を残す」というより、
文化を残す行為に近いのではないでしょうか。
呉服店が伴走する理由
正直に申しますと、
十三参りの後こそ、
呉服店の仕事が本番です。
お手入れ、
仕立て替え、
後の代まで残す為の提案。
ここまで責任を持って関わるからこそ、
「この店で誂えてよかった」と言われます。
着物は黙っていますが、
扱い方次第で、
その家の品格を雄弁に語ります。
十三参りの一枚を、
思い出で終わらせるか、人生の資産にするか。
その分かれ道に、
私たちは立ち会っています。
女の子の十三参りについて
成長とともに寄り添う、「子ども着物」という存在