着物を愉しむブログ | 染と呉服はっとり | 奈良市の七五三晴れ着の販売

着物を愉しむブログ

女将手帖|奈良で成人式の振袖をご用意されたお客様より嬉しいご報告|染と呉服 はっとり

振袖展示風景 赤の束ね熨斗 |染と呉服はっとり

専門家の目に留まった一枚――前撮りの日にいただいたご報告

────────────────────────

先日、成人式の前撮りをお済ませになられたお客様より、私どもにとりまして、これ以上ないほど嬉しいご報告を頂戴いたしました。今日はそのお話を、皆様にもお伝えさせてください。

お電話口で弾んでいたお声

そのお客様からお電話をいただいたのは、前撮りを終えられた、まさにその日の午後のことでした。受話器の向こうから聞こえてきたお声は、いつもより一段と弾んでいて、私は思わず居住まいを正しました。

「今日、前撮りに行ってきました。少し嬉しいことがあって、どうしても女将さんにお伝えしたくて」

そう切り出されたお客様は、その日、写真館で起こった出来事を、まるで昨日の出来事のように生き生きと語ってくださいました。

着付けの現場で起きたこと

大阪市のホテルでの前撮り当日、お嬢様のお支度を担当されたのは、写真館専属の着付け師の方でした。長年、数え切れないほどのお嬢様方の晴れ着を手掛けてこられた、いわば着付けのプロフェッショナルです。

その着付け師の方が、お嬢様の振袖に袖を通させていただいた瞬間、ふと手を止められたそうです。生地の張り、柄の配置、仕立ての精度——お着物を見る目を持つ方であれば、袖を通しただけで、そのお品の格が分かるものです。

「これは、ただ事ではない」

そう感じられた着付け師の方は、なんと写真館の店長さんに声をかけ、店長さんはさらに、着付けの専門家の方まで呼んだとのことでした。一枚の振袖をめぐって、その場に居合わせた着物のプロフェッショナルの方々が、次々と集まってきたのです。

——————

「お着物というものは、袖を通したその瞬間に、見る人の目と手に、その品格を語りかけるものです」

——————

「ここまで立派な振袖は、久しぶりに見ました」

集まった専門家の方々は、お嬢様の振袖を前に、口々にこう言ったそうです。

「ここまで立派な振袖は、久しぶりに見ました」

長年、数多くのお着物を扱ってきたプロフェッショナルの方々が、思わず感嘆の声を漏らす。それは、生半可なことでは起こり得ない出来事です。京友禅の丹念な染めの技、糸目の繊細さ、そして仕立てにいたるまでの一つひとつの仕事が、その場に集まった目利きの方々の心を動かしたのでしょう。

お客様は電話口で、こう続けてくださいました。

「みなさん、本当に驚かれた様子で、写真館のスタッフの方々まで集まってきて、しばらくその場が振袖の話で持ちきりだったんですよ。娘も私も、なんだか誇らしい気持ちになってしまって」

そのお声の温かさに、私は受話器を握りしめながら、胸がじんと熱くなるのを感じていました。

このようなご報告をいただくと、正直に申し上げて、言葉に尽くせないほどの喜びがこみ上げてきます。私どもがお仕立てのご相談から振袖選び、そして仕上がりまで、一つひとつ丁寧に向き合わせていただいたお振袖が、専門家の方々の目にも確かな品として映った。それは、私どもの仕事そのものへの、何より雄弁な評価だと感じています。

呉服の世界にいると、日々、反物と向き合い、お客様のお声に耳を傾け、地道な仕事を積み重ねていきます。派手さのない仕事の連続ですが、こうして思いがけない場所で、思いがけない方々から評価をいただく瞬間があるからこそ、この仕事を続けてこられたのだと、改めて実感します。

「この呉服という仕事をしていて、本当に良かった」

大げさなようですが、私は本心からそう思っています。

〈女将の目線〉

晴れの日の装いは、写真に写る前に、人の心に映る

このお話を伺いながら、私はあらためて思うのです。晴れの日の装いというものは、写真に写し取られる以前に、まず、その場に居合わせた人々の目と心に映るものなのだと。

カメラのシャッターが切られる、その一瞬のためだけに、お着物はあるのではありません。お嬢様がそのお振袖に袖を通して歩まれる道すがら、すれ違う方々の目に、支度を整える着付け師の方の手に、そして寄り添うご家族の眼差しに、そのお品は語りかけ続けているのです。

今回、専門家の方々の記憶に残るお振袖であったということは、そのお振袖が、単なる一着の衣装を超えて、確かな「品」として、その場の空気そのものを変える力を持っていたということでしょう。お嬢様の成人という、人生でただ一度の節目にふさわしい一枚として、しかるべき場所で、しかるべき方々の心を動かした。呉服に携わる者として、これほどの喜びはありません。

着継がれていく、ご家族の歴史として

お着物というものは、一度きりの晴れ着で終わるものではありません。お母様からお嬢様へ、そしてまたその先の世代へと、時を越えて着継がれていく「日本の伝統衣装」です。

今回のお振袖もまた、これから先、お嬢様のご結婚のお支度の折に袖を通されることもあるでしょうし、あるいはいつか、そのお嬢様ご自身の娘様へと受け継がれていく日が来るかもしれません。一枚の振袖が、そのご家族の歴史そのものを織り込んでいく。それこそが、お着物という日本の伝統衣装の持つ、かけがえのない価値だと私は考えています。

だからこそ私どもは、お振袖のご相談を承る際、目先の華やかさだけではなく、何十年先までお召しいただけるお品としての格を、何より大切にしています。今回、専門家の方々の目に留まったのも、そうした一つひとつの積み重ねの結果であったと、心よりありがたく思っています。

女将より

このたびのご報告をいただき、私はあらためて、呉服という仕事の意味を噛みしめています。

お着物をお誂えするということは、ただ美しい一枚をお渡しすることではありません。お嬢様の晴れの日を、そしてその先に続くご家族の物語を、静かにお支えすることです。今回、前撮りの現場に居合わせた専門家の方々の記憶に残るお振袖であったこと、そしてお客様が誇らしいお気持ちでご報告くださったこと、そのどちらもが、私ども染と呉服はっとりにとって、何よりの喜びです。

お嬢様の大切な節目に、ご家族の歴史となり得る一枚をお選びいただけるよう、これからも一つひとつのお仕立てに、心を込めてまいりたいと思います。

振袖選びやお仕立てについて、少しでもお心当たりがありましたら、どうぞ染と呉服はっとりへご相談ください。お着物を前に、じっくりとお話を伺わせていただきます。

関連記事です、参考にしてください。

奈良で振袖を選ぶなら|四代続く老舗呉服店が失敗しない選び方を解説
奈良市の成人式と振袖選び|母が願う一枚、娘が選ぶ一枚──想いがすれ違うときの寄り添い方
振袖を本気で選ぶ方へ|振袖選びの完全ガイド|色・柄・体型・顔映り・トータルコーデまで
奈良で成人式の振袖を選ぶ完全ガイド|老舗呉服屋が教える準備・費用・当日の流れ
振袖のすべて|選び方・色柄の意味・価格の違い・成人式準備まで完全ガイド(奈良の老舗呉服店が解説)
振袖クリーニングの料金・注意点・最適なタイミング|奈良の老舗が本音で解説
母の夢が宿る、圧巻の一枚の振袖|京友禅と京繡の彩り
着物は素敵だけれど、どうしたらいいの?管理の仕方は?
何から始めればいいのか、さぁ困った。
皆さんお着物を日常にお召しになられないのでこんな疑問は当たり前のことです。
どうぞご相談下さいませ。一緒に考えさせていただきます。
呉服専門店は、そんな皆様の道先案内人となって差し上げます。

奈良県の北西部近鉄線学園前駅徒歩2分。
閑静な高級住宅街で有名な学園北のお屋敷街の中に
ひっそりとたたずむ知る人ぞ知る隠れ家呉服店です。

位置情報・交通案内

お問い合わせ・ご相談はこちら

WEBからのお問い合わせ

お電話でのお問い合わせ

■ 0742-44-1444